JSRは5月22日、連結子会社のKBIバイオファーマ(KBI)で、バイオ医薬品製造設備の能力増強を決定したと発表した。
ノースカロライナ州ダーラムとコロラド州ボルダーにある設備で能力を増強する。投資金額は約3000万米ドル。
KBIは高度な分析手法開発技術と製造プロセス開発技術を有するバイオ医薬品開発・製造受託会社で、臨床試験用製造で実績を積み上げた結果、商業用製造の需要が見えてきたことから、能力を増強することになった。
ダーラムでは、臨床向けのcGMP(医薬品適正製造基準)設備も備えた、商業向けの動物細胞培養設備を増設する。ボルダーでは、現行の微生物培養設備よりも小規模な設備を増設し、KBI全体として臨床試験から商業生産まで幅広く顧客のニーズに対応することが可能となる。
増設するのは、動物細胞培養設備が2000Lバイオリアクター2基、微生物培養設備は300L培養タンク1基。商業運転は両設備ともに年内を予定している。
また、これまでの活動拠点である北米に加えて欧州での事業展開のため、JSRの連結子会社であるJSRマイクロNVの敷地内に新たな拠点を置き、来年前半から分析サービスを開始する予定。同拠点を通じて、これまでに培った分析手法やcGMP試験サービスを欧州でも提供できるようにするほか、これらの分析や試験技術を通じて、抗体医薬精製用担体アムスフェアA3の販売拡大も図る。