JSRの新中計 石化、多角化営業利益を拡大 SSBRを成長ドライバーに

2017年05月25日

ゴムタイムス社

 JSRの小柴満信社長は5月24日、東京千代田区の日経カンファレンスルームで記者会見を行い、2017年度からの新中期3ヵ年経営計画「JSR 20i9」の基本方針を発表した。

 新中計では石化系、ファイン、ライフサイエンスの3事業の成長を加速させ、2019年度に連結売上高4600億円(2016年度3906億円)、営業利益420億円(同324億円)を目指す。

 同社では前期中計20i6が国内タイヤ市場の縮小、エラストマー事業の収益環境悪化、SSBRのタイ新工場の建設遅れ、ディスプレイ事業の収益悪化などから数値目標が未達に終わったのを踏まえ、今中計では「需給悪化は底打ちするも、環境は不透明であり、マクロ市場の成長は限定的」(小柴社長)とし、確実な収益成長に力点を置いている。

 具体的には石化系事業では低燃費タイヤ向けSSBRの拡販、スチレン系樹脂のテクノポリマーとUMG ABSの統合会社によるハイエンド市場の海外展開強化により、最終年度に売上高2600億円、営業利益160億円の数値目標を掲げている。

 SSBRについては、収益ドライバーの一つとしており、6~8%の期待市場成長の下、新中期経営計画期間も2ケタ成長が可能としている。需要環境もEU自動車CO2排出規制強化や中国でのラべリング制度施行も追い風であり、環境規制強化に対応した第5世代製品の上市及びミドルレンジ製品の拡販を図っていく。タイ工場第2ラインのフル稼働化、ハンガリー工場の立ち上げによる3極(日本6万t、タイ10万t、ハンガリー6万tの計22万t)生産体制でSSBRのグローバル

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