東レ・ダウコーニングの機能性シリコーン製品は、建築や土木、自動車エレクトロニクス、ビューティーケアなど、多様な分野で使われているが、シリコーンゴムとしての主な用途は自動車分野である。
耐熱性・耐油性・耐久性などの特徴を生かし、ホースやシール、エアバッグのコーティングなど、自動車各部の様々な部品の素材として使われている。エンジン周りだけを見ても、Oリングやマフラーハンガー、ホース、エンジンマウントなど使用範囲は多岐に渡っており、同社にとって自動車用途は注力分野の1つである。
坂巻満弘オートモーティブマーケティングマネジャによれば、同社のシリコーンゴムの16年度の需要動向は、自動車生産の回復に伴い、堅調に推移した。足元の需要動向もその流れが継続しているという。
また、国内の自動車生産は今後大きな伸びは見込めないものの、各自動車メーカーは燃費向上のために軽量化を進めており、それはシリコーンゴムにとって追い風になるとのこと。
というのは現在、価格面で優位性のある有機ゴムがエンジン部でも使われている。しかし、軽量化のためにエンジンをコンパクト化して温度が上昇すると、有機ゴムは熱に弱いため遮熱の部品を追加して保護せざるを得ず、トータルの重量・コストの両面でシリコーンゴムが有利になるからだ。
したがって、同社では「有機ゴムの代替として推奨すること」(坂巻マネジャ)を販売戦略の1つとしている。
また、新製品の開発にも注力しており、3月には硬さの