ブリヂストンは5月31日、経済産業省と東京証券取引所が共同で紹介する「攻めのIT経営銘柄」に、3年連続で選定されたと発表した。
同社は「2016中期経営計画」で、重点課題の一つに「技術/ビジネスモデル/デザインのイノベーション」を掲げ、戦略的にIT活用を推進している。商品だけでなく、ITやサービスを組み合わせた様々なソリューションを顧客に提供するビジネスモデルの開発を推進しており、これにより顧客の様々な課題解決を図るとともに、持続的・発展的な取引関係を築いていくことを目指している。
年初にはこの取り組みを加速させるため、CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)の下、デジタルソリューションセンターを立上げた。このような同社の企業価値向上の取り組みが評価され、今年も攻めのIT経営銘柄に選定された。
同社のITを活用した具体的な取り組みとしては、「ITを活用した鉱山向けソリューションビジネス」がある。これは鉱山・農業機械向け事業で、従来の商材別の事業展開にとどまらず、複数商品の組み合わせやサービス、ITサポートまでトータルで提供するソリューションビジネスのグローバルで展開するものだ。
また、「B―TAG」(運行中の建設・鉱山車両用タイヤの空気圧・温度を計測し、情報をリアルタイムで車両の運転手や運行管理者に送信するシステム)や「MONITRIX」(鉱山などで使用されるコンベヤベルトの摩耗状況を自動で把握できる独自のシステム)を開発し、顧客の課題を解決するソリューションビジネスを強化している。
さらに、「ITを活用した新たな運送ソリューションの実証試験」として、同社とグループ会社のブリヂストン・ド・ブラジル・インダストリア・エ・コマーシオは、ブラジル・リオデジャネイロの主要な交通手段であるバス高速輸送システムで、独自のITシステム「タイヤマティックス」の実証試験を行っている。
これは、センサーを用いてトラック・バス用タイヤの空気圧、温度を計測し、車両位置情報とともにネットワークを通じて遠隔でリアルタイムにモニタリングするITシステムで、乗客の安全輸送や定時運行、効率的で効果的なタイヤメンテナンスに貢献する。