自動車部品工業会(JAPIA、志藤昭彦会長)は6月12日、都内で経営動向記者会見を開催し、2016年度(16年4月~17年3月)の自動車部品工業の経営動向を発表した。
調査の対象となったのは、5月1日現在の会員企業440社のうち、自動車部品の売上高比率が50%以上の上場企業で、前年同期比較が可能な自動車部品専門企業79社。
日本基準適用企業69社と国際財務報告基準(IFRS)10社に分け、各社の連結決算短信(非連結決算企業は単独決算)により集計・分析した。ちなみに、IFRS適用企業が全体に占める売上高比率は40・1%となっている。
日本基準企業の合計売上高は15兆4934億円で前年度比3・1%減、IFRS企業の合計売上収益は10兆3598億円で同2・5%増。好調な海外事業による需要の増加があったものの、円高による為替換算の影響や軽自動車の需要減少などにより、日本基準企業は減収となった。
なお、日本基準で増収となった企業数は19社、IFRS企業も増収は3社に留まっている。
日本基準企業の合計営業利益は9643億円で同1・6%増、経常利益は9783億円で同6・3%増、当期純利益は4164億円で同6・5%減となった。
IFRS企業の営業利益は6819億円で同9・8%増、税引前利益は7201億円で同11・0%増、当期純利益は4413億円で同5・5%増と、各項目ともプラスとなっている。
増益となった企業数は、日本基準で営業利益が38社、経常利益が39社、純利益が44社。IFRS企業では営業利益が7社、税引前利益が7社、純利益が6社だった。
また、日本基準で増収・営業増益となったのは14社で全体の20・3%、IFRS企業では2社で同20・0%と、いずれも2割に留まった。
各社の増益・減収要因の分析では、営業利益の増益要因として「合理化努力」「生産増加による操業度差益」「海外拠点の業績改善」「受注車種構成の変化」など、減益要因としては「円高の影響」が大きく、その他の要因としては「国内諸経費の増加」「海外労務費の増加」などが挙げられる。
経常利益の主な減益要因は「為替差損の発生」だった。収益構造では、