加貫ローラ製作所(大阪市生野区、加貫泰弘社長)の16年度の業績は、計画には若干届かなかったものの、売上高・営業利益ともに対前年度比で増収増益となった。
上半期の売上高に対し、下半期は機械メーカーの設備案件が減少したため、上半期の伸びを維持することはできなかったが、顧客に対しキメの細かい営業を徹底したことによりメンテナンス案件を確保したことで、前年実績を上回ることができた。
分野別では、印刷用・工業用ともに伸長した。印刷用は、油性からUVへと移行する中、「特殊インキ・溶剤(洗浄液)に対しての耐久性と安定したインキ転移性を持つ材質が求められている。これらの特徴を兼ね備えた材質を上市したことにより、顧客の支持が得られ、ファンは着実に増えている」(同社)という。
このため、UV印刷用「アバントUV」シリーズや、耐油・耐薬品性、耐オゾン性に優れ、帯電防止機能を付与した高強度特殊ウレタンローラ「ECPUW」などは好調を維持している。
工業用では高機能フィルム用巻取りコア「e―コア」が目標には達しなかったものの、好調に推移した。今後も多様な用途展開が考えられることから、顧客の要望に対応した材質の製品を開発することで、差別化を図っていく。
工業用で現在、最も期待を寄せるのはフィルムだ。フィルムは食品用の軟包装から光学系の高機能フィルムまで多岐にわたり、顧客によってニーズもさまざまである。同社では、この分野でシェアを伸ばすため、技術が営業に同行して、顧客の要望を受けて即座に新製品を開発し、使用・評価してもらうという取り組みを以前から行っている。
こうしたスタイルで製品化したものとしては、シリコーンの