本紙がまとめたゴム関連企業29社の2016年度の設備投資実績によると、投資額は合計で5656億3700万円となり、前年度に比べ15・1%減となった。海外進出ラッシュが一巡するなか、前年度に続き2年連続で前年実績を下回った。
業種別にみると、タイヤ4社は合計3035億3600万円で前年度比26・3%減。各社とも前々年度はプラスだったが、海外拠点の整備が落ち着いたことから、2年連続でマイナスとなった。
最も投資額が多かったのはブリヂストンの1941億円(同23・4%減)。タイヤ部門では1780億円を投じ、ロシアで乗用車用ラジアルタイヤの新工場、タイで建設・鉱山車両用ラジアルタイヤの新工場建設を進め、米国をはじめとした既存工場では高付加価値商品への転換や、さらなる品質・生産性の向上などを進めた。
多角化部門では、自動車関連部品の事業強化を進めるなど、160億円の設備投資を実施している。
一方、前年度からの伸びが最も大きかったのは、ナンシンの289・4%増(2億5700万円)。すべてキャスターと台車の生産・販売のための投資だった。
ベルト3社は合計109億8700万円で同18・4%増。前年度はプラスだったバンドー化学が減少に転じる一方、前年度マイナスだったニッタはプラスとなり、前年度2桁増だった三ツ星ベルトは、さらに拡大した。
バンドーの投資額は同2・5%減の45億5800万円。主なものとしては自動車部品事業で20億5000万円、産業資材事業は9億5000万円、高機能エラストマー製品事業は6億7100万円などとなっている。三ツ星ベルトは同38・5%増の33億7500万円。ニッタは40・7%増の30億5400万円。
自動車部品6社の合計は1660億2300万円で同2・7%増。西川ゴム工業とフコク以外はプラスだった。
最も投資額が多かったのはNOKの651億3500万円で、増減率でも同6・1%増と6社の中で最も大きな伸びとなった。自動車部品を含むシール事業で国内外合わせて312億2100万円、電子機器部品についても国内外合わせて328億3900万円を投入するなど、前年の同48・1%増ほどではないものの、積極的な投資を続けている。
伸び率がNOKに次いで大きかったのは、住友理工の5・0%増(320億6900万円)。自動車用部品事業では、国内外の自動車用防振ゴムとホースの生産設備を中心に271億9900万円の投資を行っている。
工業用品その他12社は合計186億2500万円で同2・7%増。オカモトや信越ポリマーなど5社が前年実績を下回ったものの、全体では