本紙がまとめたゴム関連企業27社の2016年度海外売上高比率によると、前年度の比率を上回った企業は7社に上った。また、海外比率が5割を超えた企業は、半数近い13社。業種にもよるが、各社とも海外販売を伸ばすことに注力し、それが数字となって表れたと言える。
タイヤメーカーは、住友ゴム工業以外は円高の影響で前年実績を下回ったが、ブリヂストンの海外売上高比率はすでに8割を超えており、他の3社も5割を超えている。
ブリヂストンの海外売上高のうち、地域別で最も多いのは米州の48・7%で、中でも米国は40・1%となっている。16年度の北米タイヤ事業は、乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数は前年を上回り堅調に推移したが、トラック・バス用タイヤの販売本数は、新車用の減少により前年を下回った。このため、前年度(米州48・8%、米国40・7%)に比べ、わずかながら比率が下がっている。
他の3社は、住友ゴム工業が3・1ポイント増加したが、横浜ゴムは0・7ポイント、東洋ゴム工業は2・0ポイント減少している。
ベルトメーカーは3社とも、わずかではあるが前年度に比べ減少した。最も海外比率が最も高いのは、バンドー化学の48・2%。アジア・中国・欧米他のいずれも前年実績を下回ったが、日本の売上高も減少したため、比率としては0・3ポイントの減少に留まった。
自動車部品メーカーは6社のうち、西川ゴム工業だけが15年度の52・8%から54・5%に伸びた。米国は減少したものの、中国とその他地域が増加し、国内が減少したこともあり、1・7ポイント増加した。
自動車部品メーカーで海外売上高比率が最も大きいのは、NOKの68・8%。前年度は7割を超えていたが、中国は横ばいだったのに対し、その他の地域が減少、国内が増加した結果、2・8ポイント減少した。
工業用品その他で最も伸びたのはナンシンで、12・1ポイントの増加。中国が減少したもののマレーシアが伸び、一方で国内が減少したため、海外比率が向上した。昭和ホールディングスは72・5%と前年度からさらに1・7ポイント上昇したが、これは海外ファイナンス事業の好調さによるものだ。
履物ではアシックス・アキレスとも海外比率は微減となった。ただし、アシックスが74・6%なのに対し、アキレスは17・5%と対照的だ。アシックスは米州・欧州が減少し、国内が増加したものの、東アジアとその他地域が伸びたことで、依然として高水準を保っている。
合成ゴムではJSR・日本ゼオンともに微減となった。JSRは国内が増加し、中国が減少したものの、その他地域が伸びたことで、0・1ポイントの低下に留まった。日本ゼオンはアジアが伸びた以外は、北米・欧州・その他地域のいずれも減少したが、国内も減少したため、0・9ポイント減とそれほど大きな低下にはなっていない。
ゴム企業27社の2016年度海外売上高比率 | |||
---|---|---|---|
単位:% | |||
業種 | 社名 | 15年度実績 | 16年度実績 |
タイヤ | ブリヂストン | 82.5 | 80.4 |
住友ゴム工業 | 56.3 | 59.4 | |
横浜ゴム | 52.8 | 52.1 | |
東洋ゴム工業 | 67.1 | 65.1 | |
ベルト | バンドー化学 | 48.5 | 48.2 |
三ツ星ベルト | 46.5 | 45.1 | |
ニッタ | 32.9 | 32 | |
自動車部品 | 豊田合成 | 59.8 | 57.1 |
NOK | 71.6 | 68.8 | |
住友理工 | 63 | 59.3 | |
西川ゴム工業 | 52.8 | 54.5 | |
フコク | 48.6 | 47.2 | |
ニチリン | 68.4 | 67.9 | |
工業用品その他 | オカモト | 25.6 | 24.7 |
信越ポリマー | 50 | 45.4 | |
日本バルカー工業 | 27 | 25.7 | |
タイガースポリマー | 49.4 | 45 | |
藤倉ゴム工業 | 33.9 | 34.8 | |
ナンシン | 34.8 | 46.9 | |
昭和ホールディングス | 70.8 | 72.5 | |
不二ラテックス | 20.1 | 18.8 | |
朝日ラバー | 16 | 18 | |
相模ゴム工業 | 15.3 | 17.9 | |
履物 | アシックス | 76.4 | 74.6 |
アキレス | 18.7 | 17.5 | |
合成ゴム | JSR | 55.6 | 55.5 |
日本ゼオン | 53.4 | 52.5 |
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