JSRは7月18日、医療3Dソフトウェア会社であるレキシーの株式を100%取得することで合意したと発表した。
JSRグループでは、デジタル化による社会変革の波をとらえた、新たな価値創造活動の一環として、3Dプリンティング技術と、その材料技術を通じた事業展開を行っている。
同社が保有するこれらの技術と、レキシーが保有する3Dソフトウェア技術の融合により、ライフサイエンス領域で新たな事業構築を推進するため、買収を行うことにした。
今日の医療現場では、CTやMRI診断で取得したデジタル画像データから骨格や臓器の3Dデータを作成し、手術前に患者の手術計画を作成する3D手術シミュレーション技術が普及している。
レキシーは整形外科領域で、2009年に日本で初めて3D手術シミュレーションソフトウェアの提供を開始したこの分野の先駆者である。
今後は、こうした3D手術シミュレーション技術と、医療に利用可能な材料、3Dプリティング技術を組み合わせることで、事前の手術計画作成にとどまらず、患者一人ひとりにカスタマイズした医療デバイス作成までを含めた、新たな個別化医療が登場する可能性が高まっている。
JSRは、医療現場でのニーズ把握を通じた応用技術開発や、必要となる材料技術開発も併せて、3Dプリンティングによる医療イノベーションの実現へ向け、新たな事業の構築をレキシーとともに進めていく方針だ。