中興ベルト(大阪市淀川区、今里英雄社長)は親会社の中興化成工業のふっ素技術をベースに、ふっ素樹脂製搬送ベルト「チューコーフローベルト」の設計・施工・販売を手掛けている。2009年10月に分離独立して以来、業績は着実に伸びていると語る今里社長に、強みや注力商品、今期の見通しなどを尋ねた。
―御社の強みについて。
当社のベルトは、包装関係、食品、建材、半導体、自動車など幅広い産業分野で使われている。耐熱性、耐薬品性、離型性などに優れるふっ素樹脂ベルトの特長を生かし、食品分野では高温のフライヤーなどの製造工程、包装関係では「ホットメルト」と呼ばれる、160℃~200℃前後の熱をかけてフィルムを接着させる部分など、当社のベルトは過酷かつ、厳しい工程で使われている。ニッチな分野なだけに、他社の樹脂ベルトと比べると販売量は少ないが、チューコーフローベルトがないと機械が作動しないところも多い。これが当社の強みの一つになっている。
―業績を振り返って。
17年3月期(16年度)の売上は微増。ただし、15年度が堅調だったことから、良い流れが続いていると分析している。
分野別では、食品や建材は順調だ。自動車向けは厳しい状況にあるが、半導体はこの2、3年堅調を維持している。用途が広いことから、ある分野が落ち込んでも他の分野でカバーできている。
―注力商品は。
メッシュクロスタイプベルトになる。メッシュタイプには、パラ系アラミドクロスにふっ素樹脂を含侵焼成した「Aタイプメッシュベルト」と、メッシュ状のガラスクロスにふっ素樹脂を含侵した「Gタイプメッシュベルト」がある。メッシュ状なので蒸気