【コラム連載シリーズ】私とゴムの履歴書 戦後から現在まで【12】~右川ゴム三代目の時代~ 右川清夫氏

2017年09月04日

ゴムタイムス社

 

~右川ゴム三代目の時代~

 前回に続いて、私、右川清夫が事業を継承した後の、弊社の歩みを振り返ります。

二木会にて

 東部ゴム工業会の二木会で、加藤寛先生に伺った話を思い出します。

 「田中角榮の日本列島改造論で突っ走ってきた日本経済は、石油ショックの洗礼を受けなければ、変われなかったと言える。ひと、もの、かねに自由化は世界共通。レーガンが円高に誘導した。我々は、今目先の利益だけで仕事をしていてはいけない。日本はまだ自分で直さなければならないことがたくさんある。航空業界自由化運賃。JALの民営化。運輸業界の自由化。電信電話の分割民営化。金融自由化。税制改革。教育改革、知識教育の反省。規制なき自由ではいけない」

 東部ゴム工業会の二木会は、私どもにとって、多くの知恵を授けてくれました。右川ゴム製造所にとって大きなターニングポイントとなったきっかけを作ってくれた出来事があります。

 私どもの退職金制度は、中退共(中小企業退職者共済)のほかに、日本生命の企業年金に入っており、社員の福祉に利回りの良い制度を取り入れておりました。ところが、年金契約を約束通りに利回り出来なくなって、保険会社から解約を迫られていたのです。

古田土先生との出会い

 ちょうどそんなとき、二木会で「保険サービスシステム」の方が、保険についての講演をしてくれました。そこで知り合った保険会社のミニ講演会で、たまたまキャッシュフロー経営の公認会計士、古田土満氏との出会いがあったのです。

 そこで月次決算の重要性を伺い、経営者が数字をつかんだ経営戦略を建てる必要を、わかりやすく説明してもらったのです。約一年間、今までの長いお付き合いの税理士の月次決算書を古田土先生に見てもらい、経営指針のアドバイスをいただきました。

 戦後からそれまでお世話になった会計事務所をお断りして、弊社の面倒を見ていただくことにしました。ユニークな会計事務所で、所員が、所在地・西葛西の駅前清掃に励み、挨拶、朝礼などすべてに活気のある人育てを実践している会計事務所です。

 この会計事務所では毎年一回、経営計画発表会があります。経営理念「志を全社員で共有するものとし、会社は社員を守り、社員は家族を守る使命感に貫かれた経営を目指す」と、同社の計画書の冒頭にうたっております。毎年、ユニークなゲストを招いた講演会が開かれました。

坂本先生から学んだこと

 その中で、特に感銘を受けた講師が、坂本光司先生でした。印象に残った

全文:約2004文字

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