アキレスの3月期連結決算は、売上高868億800万円、前期比1・3%減とわずかながら減収となったが、営業利益は25億600万円、同14・2%増、経常利益27億5700万円、同14・6%増、当期純利益15億900万円、同150・5%増の増益となった。 同社グループは、持続的な成長と企業価値の増大を目指して、ブランド力ある商品の徹底した拡販と環境対応商品の開発、新規顧客の開拓、徹底したコストダウ ンなどに取り組み、収益性の向上に努めた結果、販売面は減収ながら2ケタの増益を達成した。
シューズ事業は、長引く消費低迷による小売価格の低価格化、猛暑の影響による夏場のスニーカーの不振、また「エコー」の販売を終了したこともあり、前年売 上げを下回った。以上の結果、同事業の売上高は223億2900万円、同9・6%減、営業利益16億7400万円、同13・7%減となった。 プラスチック事業は、レザー、合成皮革を中心とした車輌内装用資材が、国内向けではエコカー補助金制度の打ち切りを境に大きく受注が減少し、前年売上げを 下回ったが、海外向けは伸長の続く中国市場向けが好調を持続、中国現地子会社の伸長もあり、全体としては前年売上げを上回った。農業資材分野は環境対応商 品の拡販につながり、建装資材(床材・壁材)は、住宅着工戸数の低迷で厳しい環境だったが、壁材商品の需要拡大により、前年売上げを上回った。以上の結 果、同事業の売上高は364億5700万円、同3・7%増、営業利益10億9700万円、同71・3%増となった。 産業資材事業は、ウレタンが長引く消費低迷の中で、季節商品の「ホットパッド」や荷重分散フォーム「スフレ」などが市場で評価され拡販に努めたが、前年売 上げを下回った。断熱資材は住宅エコポイント制度を追い風に市場が急回復し、順調に推移。静電気対策品の国内販売は、電子部品の堅調な市況を背景に前年並 みに推移、中国東莞工場のHDD用導電性サスペンションも前年売上を若干上回った。また、グローバル化の一環として、タイの精密射出成形企業を買収、子会 社化した。大型RIM成形品は医療機器向けが順調に推移した。以上の結果、同事業の売上高は280億2000万円、同0・2%減、営業利益22億2100 万円、同14・2%増となった。次期は、海外からの製品調達価格の上昇など厳しい事業環境下で、独自技術を発揮できる分野の新商品開発に注力、グローバル な視点での優位性を活かし、変化を的確に捉えた事業展開を推進し、収益性の向上を目指す。
2011年06月06日