宇部興産の2018年第1四半期連結決算は売上高が1596億1100万円で前年同期比15・6%増、営業利益は90億9800万円で同458・8%増、経常利益は101億8200万円(前年同期8億6100万円)となり営業利益は5・6倍の大幅増益となった。
親会社株主に帰属する四半期純利益は65億7600万円(同1億7700万円)で08年を上回る過去最高実績となった。
合成ゴム、ナイロン等化学品の市況が是正されたほか、工業薬品の隔年実施の定期修理がなく生産・出荷が増加した。
化学部門の売上高は733億円、同26・7%増、営業利益は61億円で前年同期に比べ84億円の増益となった。
合成ゴム(ポリブタジエン)事業は原料ブタジエン価格の上昇に伴い販売価格が上昇し、またタイヤ用途を中心に出荷が概ね堅調に推移。ラクタムは中国市場が引き続き供給過剰ながらも価格が是正されたほか、ナイロン事業も原料ラクタム価格の上昇に伴い増収となった。
合成ゴム事業については昨年度末のブタジエン価格の高騰を今第1四半期に製品価格へ転嫁。一方で原料が急激に下がったことでスプレッドが一気に拡大したのが大きな増益要因となった。電池材料事業は車載向け中心に販売数量が増加、ポリイミド事業も回路基板向けを中心にフィルムの販売数量が増加した。
医薬セグメントでは、ロイヤリティ収入が増加し、売上高が24億円(同1・6%増)、営業利益は7億円(同64%増)の増収増益。建設資材はセメント・生コン事業が国内需要の増加により販売数量が増加したが、石炭の価格上昇の影響を受け、売上高572億円(同6・3%増)、営業利益24億円(同15・6%減)の増収減益となった。 機械は成形機・産機事業の製品販売が堅調で新規連結子会社が加わったことにより、売上高162億円(同28・1%増)、営業利益3億円の増収増益となった。エネルギー・環境は石炭事業で石炭市況の影響により販売価格が上昇し、売上高153億円(同18・1%増)、営業損益2億円の増収増益となった。
通期の連結業績予想については、前回発表から変更はなく、売上高は7000億円で前期比17・4%増、営業利益は400億円で同14・4%増、経常利益は380億円で同13・9%増を見込んでいる。
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