東海カーボンの2017年12月期第2四半期連結決算は、売上高が491億8400万円で前年同期比9・6%増、営業利益は42億2800万円(前年同期は8000万円の営業損失)、経常利益は49億2400万円(同2億3500万円の経常損失)、四半期純利益は58億5400万円(同59億円の四半期純損失)となった。
カーボンブラック事業部門は、対面業界のタイヤ業界・自動車業界ともに堅調に推移したため、販売量が増加した。また原料油価格上昇に伴う製品の値上げ実施と、昨年の構造改革の効果現出なども寄与し増収増益となった。この結果、同事業部門の売上高は同28・5%増の235億400万円、営業利益は同79・5%増の33億9700万円となった。
黒鉛電極事業部門は構造的な需給不均衡により、販売価格が下落し売上高は減少した。一方で販売数量自体は堅調に推移し、コスト削減効果が現出したことなどから前年同期比で増益となった。これにより、同事業部門の売上高は前年同期比10・9%減の96億5700万円、営業利益は2500万円(前年同期は3億7万円の営業損失)となった。
ファインカーボン事業部門では、特殊炭素用黒鉛材の供給能力は依然として需要を上回っているものの、一般産業用市場が堅調に推移する中、太陽電池・半導体市場も回復傾向となっており、市場価格には底打ち感が見られる。また構造改革の一環として昨年実施した生産能力削減、在庫削減等の合理化効果が現出しつつある。以上の結果、同事業部門の売上高は前年同期比1・1%増の68億4500万円、営業利益は3億9000万円(前年同期は12億5400万円の営業損失)となった。
工業炉及び関連製品事業部門では、発熱体その他製品は電子部品業界向けに堅調に推移したものの、工業炉はエネルギー関連業界向けで販売減少となった。営業利益は工業炉の特需と、発熱体製品における中国の子会社の収益改善などが寄与し増加した。この結果、同事業部門の売上高は前年同期比4・5%減の28億2200万円、営業利益は前年同期比34・5%増の5億1200万円となった。
その他事業部門のうち、摩擦材の売上高は建設機械向けが油圧ショベルの中国市場回復、鉱山機械の増産などにより伸長した。農業機械向けは北米向けトラクターの増産、工作機械向け需要は中国の自動化需要拡大により、いずれも伸長した。これにより、摩擦材の売上高は前年同期比10・1%増の41億4600万円となった。
リチウムイオン二次電池用負極材の売上高は、販売数量が客先の生産調整により減少した結果、前年同期比3・6%減の20億8200万円となった。
不動産賃貸等その他の売上高は、前年同期比44・6%増の1億2500万円となった。
以上により、その他事業部門の売上高は前年同期比5・7%増の63億5400万円となり、営業利益は前年同期比51・9%増の4億5100万円となった。
通期の連結業績予想は、前回予想から上方修正を行い、売上高が980億円で同10・6%増、営業利益は85億円で651・1%増、経常利益は97億円で同469・8%増、純利益は91億円を見込んでいる。