デンカの2018年3月期第1四半期連結決算は、売上高が905億8800万円で前年同期比10・5%増、営業利益は64億3000万円で同49・7%増、経常利益は73億8900万円で同212・5%増、四半期純利益は60億4300万円で同170・7%増となった。
売上高については、クロロプレンゴムや電子・先端プロダクツ製品を中心に販売数量が増加したほか、原材料価格の上昇に応じた販売価格の改定により増収となった。収益面では、販売数量の増加が収益拡大に寄与し増益となった。
エラストマー・機能樹脂部門門の売上高は425億9900万円で同20・4%増となった。
クロロプレンゴムは販売数量増や採算是正を目的とした価格改定により増収となった。スチレンモノマーやABS樹脂、デンカシンガポール社のポリスチレン樹脂などの販売も堅調に推移した。
インフラ・ソーシャルソリューション部門の売上高は123億5300万円で同10・7%増。農業土木用コルゲート管やセメントは販売数量が増加し増収となり、特殊混和材や肥料、耐火物・鉄鋼用材料の販売も堅調に推移した。
電子・先端プロダクツ部門の売上高は127億9700万円で同18・1%増となった。
LED用サイアロン蛍光体「アロンブライト」や電子部品・半導体搬送用部材の機能フィルムは旺盛な需要により出荷増となり、半導体封止材向け球状溶融シリカフィラーや球状アルミナの販売も増加した。また、電子回路基板の販売も前年を上回った。
生活・環境プロダクツ部門の売上高は102億6000万円で同0・6%減となった。
プラスチック雨どいや工業用テープは販売数量が増加し増収となり、食品包材用シートやデンカポリマーの加工品も堅調に推移したが、合繊かつら用原糸「トヨカロン」の販売は前年を下回った。
ライフイノベーション部門の売上高は46億2600万円で同2・3%減収。デンカ生研の販売は国内、輸出とも前年を上回った。
その他部門門の売上高は79億5000万円で同16・8%減。アクロス商事などの商社の取扱量が前年を下回った。
クロロプレンゴムや電子先端製品などの出荷が好調だったことと、第2四半期もこうした状況が継続する見込みであることから、第2四半期の連結業績予想の各利益項目を上方修正したが、通期については当初予想を据え置いた。
売上高は4000億円で前期比10・3%増、営業利益は300億円で同16・1%増、経常利益は280億円で同20・9%増、当期純利益は210億円で同15・7%増を見込んでいる。