トヨタ自動車とマツダが資本提携に踏み出すことになった。本紙がこのほどゴム関連企業を対象に実施した景況アンケートでも、今年度に期待される需要業界のトップに自動車が挙げられたように、自動車業界の動向はゴム業界にも大きな影響を与えることから、行方が気になるところだ。
今回の提携の目的は米国市場と環境技術への対応だ。トヨタは米国市場で販売している車の半分近くを米国外で製造し、マツダは日本やメキシコから輸出しているが、トランプ政権は北米自由貿易協定を見直す方針を打ち出している。
交渉の結果によっては、両社の業績に打撃を与えかねない。万一、そうした状況になっても、その影響を避けるため、両社は米国に工場を設立し、2021年をめどに生産を開始することにした。
一方、環境技術については、電気自動車(EV)の開発が急がれている。これまでトヨタは次世代エコカーとして燃料電池車の開発を進めてきた。しかし、世界的にEV化の流れが明らかになってきたため、開発に本腰を入れ始めた。マツダはエコカー技術で出遅れていたが、今回の提携で挽回することができる。
問題は