ミシュランは8月8日、上半期の業績を発表した。販売量は4・1%増(連結範囲変更の影響を除外した場合3・6%)で、第1四半期に価格引き上げ前の駆け込み購入が多かったことから第2四半期は減速した。
乗用車・ライトトラック用タイヤの販売量は伸び(3%増)、トラック用タイヤの販売量は横ばい。鉱業用タイヤの需要は持続的に回復し、建設機械用および農業用タイヤの直需市場販売は急増した。
なお、昨年12月にブラジルの二輪車用タイヤメーカーであるレヴォリン社を買収している。
上半期の価格ミックス効果は、価格引き上げの当初の影響を反映して1・4%のプラス(第2四半期は2・8%に加速)で、発表されたとおり、価格ミックス/原材料の正味の効果でマイナス1億8600万ユーロ。予想されたとおり、競争力強化計画による増益がインフレを相殺した。
フリーキャッシュフローは年間目標に一致してマイナス3億500万ユーロ。買収およびOCEANE債に関する利子の資産計上考慮前で横ばいとなった。同社は、原材料価格上昇のマイナスの影響に対応した運転資本管理を行うとしている。
今後の見通しは、下半期は冬の気候状況にかかわらず、市販市場は駆け込み購入急増後の落ち込みから回復すると予想される。直需市場のタイヤ需要は、トラック・建設機械・農業用セグメントでは上昇傾向が続き、乗用車・ライトトラック用セグメントでは成長は緩やかなものとなる見込み。鉱業用タイヤの販売は引き続き好調であると思われる。
現在8億ユーロと推計されている原材料コスト上昇の通年の影響を考えて、同社は引き続き機敏な価格管理を行い、価格連動性(スライド制)の対象でない事業ではユニットマージンをしっかり維持し、対象事業では連動性を適用していくとしている。結果的に、価格ミックスの変更および原材料コストは下半期には正味でプラスの影響を与えると予想される。
同社は通年で、世界市場トレンドに沿った販売量の成長、昨年の数値を上回る通常業務による営業利益(為替レート変動の影響を除外した場合)、9億ユーロを上回る構造的なフリーキャッシュフローという目標を確認している。