自動車用ゴム部品メーカー5社の4~6月期の自動車部品事業の売上高は、国内の自動車生産が6月まで8ヵ月連続で前年実績を上回ったことに加え、米国・中国では堅調、欧州では回復傾向にあることなどから、全社が増収となった。
セグメント利益については、増販効果で3社が増益になったものの、原材料価格の高騰や固定費の増加などで2社が減益となっている。
◆豊田合成
豊田合成の自動車部品事業は主に国内外での販売の増加や為替の影響などにより、売上高は1857億円で同7・0%増となった。
一方、利益については、増販効果や合理化にグループを挙げて取り組んだが、製品構成の悪化や固定費の増加などで、セグメント利益は93億円で同3・9%減となった。
◆NOK
NOKの自動車用を含むシール事業の売上高は804億6400万円で同8・6%増、営業利益は増収により、91億4500万円で同12・0%増となった。
自動車向けについては国内需要が好調に推移するとともに、中国での日系車の好調を受けて販売が増加した。
◆住友理工
住友理工の自動車用品の売上高は933億5900万円で同8・0%増。セグメント利益はゴムや鋼材など原材料の価格高騰、海外での人件費上昇などコスト増加の影響により、19億500万円で同15・9%減となった。
自動車用品の国内は自動車生産台数の増加により、売上高が前年の実績を上回った。
北米では新車市場の減速から売上高はほぼ横ばいとなり、中国では主要顧客である日系自動車メーカーの生産が堅調だったことから売上高は増加。市場回復が続く欧州や、自動車生産台数の底入れが見られた南米で売上高が増加した。
◆西川ゴム
西川ゴム工業の自動車用部品事業は、国内外ともに自動車生産台数が前年同期比で増加した結果、売上高は209億9900万円で同2・2%増となり、営業利益は18億1600万円で同5・7%増となった。
国内では軽自動車の販売回復効果と新型車効果により、生産台数が前年同期比で増加。海外では米国市場での頭打ちなどを受け若干減少したものの、アジア・欧州で堅調に増加し、全体として前年同期を上回る生産台数となったことが追い風となった。
◆フコク
自動車部品が主体のフコクの売上高は184億7500万円で前年同期比5・0%増、営業利益は8億5000万円で同1・7%増となった。
主要顧客先である自動車産業では、米国市場での販売の頭打ちなど地域ごとに強弱はあるものの、グローバル全体で生産を伸長させている。こうした状況で、同社グループの受注状況は概ね好調に推移したことから、増収増益となった。