【コラム連載シリーズ】私とゴムの履歴書 戦後から現在まで【最終回】~右川ゴム三代目の時代~ 右川清夫氏

2017年11月16日

ゴムタイムス社

~右川ゴム三代目の時代~

 今回で最終回となりましたが、右川ゴムは本当に人との出会いに恵まれました。

■古田土先生の出会い

 日本ゴム工業会のご縁でつながりを持った古田土会計事務所の古田土先生の言葉で「利益は目的でなく、社員とその家族を守るためのコストであり、会社存続のためのコストである」という発想が会社の利益計画の出発点です。

 また、古田土先生から「利益は何のための物なのかを社員が理解しなければ、目標に対する熱意が湧いてこない。何としても目標を達成しなければ情熱も湧いてこない。その家族を守るための物であって、社長だけのものではないと考えれば、社員のモチベーションアップにつながり、創造性を発揮することになる。社員の幸せ追求とは具体的には、配当を少なく、内部留保を増やしてゆくことだ」と教わりました。

 内部留保は社員が生み出したものであり未来永劫会社を存続させてゆく必要不可欠の物です。ちなみにこの考えから弊社の経営は、自己資本比率平成16年に26・2%に対して、平成29年には45%までになりました。

 もし設備投資のために無理をして増資したり、借り入れを増やしたりすると、内部留保も減り、経済合理性のみ追及するドライな組織になってしまいます。中小企業の社長は、「自分のことよりまず社員を考える」ような経営を行うべきなのだと教えられ、なかなか理想通りにゆきませんが、心がけております。

 明治30年以来、弊社を支えて下さった多くの物故された、あるいは退職された社員さんたちへの感謝の気持ちは、今、右川ゴムを引っ張っている者にとって、いくら感謝しても足りないくらいです。弊社は本当に人材に恵まれてきました。これらの先人たちの恩恵をこうむり、おかげさまで今年120年の節目を迎えられたことに心から感謝の意を表したいと思います。

■心を磨く小さな習慣

 現在、弊社の経営陣に指導してくれている

全文:約1492文字

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