ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー(グッドイヤー)は8月29日、アメリカの大豆振興団体(USB:United Soybean Board)から支援を得て実現した新たなタイヤ技術を発表した。
同社は、大豆油を原料とする新たなゴム化合物を初めて商業的に使用することで、ドライ路面、ウェット路面そして冬季天候におけるタイヤの性能を強化していく。
また、同社は大豆油を使用することにより、気温が変動する中でもゴム・コンパウンドの柔軟性を維持し、その結果、タイヤにとって重要な路面グリップ性能の維持と強化を実現する新たな方法を開発することに成功した。
同社による試験においては、大豆油を使用したゴム・コンパウンドの場合、タイヤの製造で使用されるシリカ化合物との混合がより容易になることが明らかになったという。これにより、生産効率が向上し、エネルギー消費を低減することが期待できるとしている。
同社は、同プロジェクトにおいてUSBと協力してきた。USBとは、米国内の大豆農家すべてを代表する財団であり、農家がディレクターを務め、チェックオフプログラム(組合費天引きで行うプログラム)による投資の監視を行っている。同社としては、大豆油のタイヤへの利用に取り組むにあたり、USBから開発資金援助を得ている。
今回、同社はタイヤ生産における大豆油の商業的利用に着手したが、これは米の籾殻に由来するシリカの利用や、消費者向けタイヤでのカーボンファイバーDuPont Kevlarの採用などと同様に、同社の最新技術革新の取り組みのひとつと言える。