アジア最大級の分析・科学機器展「JASIS2017」が9月6~8日、千葉市の幕張メッセで開催され、ゴム関連企業やゴム関連試験機メーカーも出展した。主催は日本分析機器工業会・日本科学機器協会。
◆NOK
マイクロ流体デバイス用パッキンとMEMS(微小電気機械システム)用離型剤を展示した。
現在、ピペットチップからマイクロ流体デバイスに液体を注入するには、液体が外に漏れないように手作業でチューブとコネクタを装着して行っている。
NOKが開発したマイクロ流体デバイス用パッキンをピペットの先端に装着すると、そうした手作業なしに、自動でピペットからマイクロ流体デバイスに液体を注入することができるようになる。
ブースでは武蔵エンジニアリング製の分注装置を使い、ピペットチップ装着→注入液採取→パッキン装着→注入の一連の過程を自動化した仕組みを紹介していた。
◆東ソー
東ソーは高速流体クロマトグラフ(HPLC)用カラム、高速GPC装置などを展示した。
HPLC用カラムでは、注力製品として「UP―SW3000」を紹介した。これは粒子径2μmのシリカゲル表面に、ジオール基を化学結合した充填剤を用いた、生体高分子分離用のサイズ排除クロマトグラフィーカラムである。微粒子充填剤のため、たんぱく質や抗体、酵素などの生体高分子の迅速分析と・分離分析が可能だ。
高速GPC装置「HLC―8320GPC」は、ポリマーの分子量測定に必要な機能を搭載した一体型システムで、優れた操作性と高精度の分子量測定環境を提供する。
◆昭和電工
昨年発売した超迅速分析カラム「GPC HK―404L」のバリエーションで、10月から販売する予定の「GPC HK―401」「GPC HK―405」、迅速アニオン(陰イオン)分析カラム「SI―35 2B」などを展示した。
404Lは環境への配慮から、分析時間と有機溶媒の使用量を従来品の6分の1に削減した。401と405は、404L発売後、特定の分子量範囲でより詳細な分析へのニーズが多く寄せられたことから開発した。
401は分子量100~1500の低分子領域に特化し。405は404Lの対象範囲外である分子量100万~250万領域の超迅速分析を可能にした。
◆朝日ラバー
独自技術である「分子接着・接合技術」のマイクロ流体デバイスへの応用を提案した。
同技術は、接着剤を使わずに分子レベルでの表面処理だけで接着・接合を行う。ゴム同士のほか、ゴムと樹脂や金属、ガラス、セラミックなどの異なる素材を化学結合により強固に接着・積層することができる。
ブースでは、岩手大学発ベンチャー「アイカムス・ラボ」が開発した細胞培養液を自動交換する装置「サイトオート」と、マイクロ流体デバイスの様々なサンプルを展示して同技術をPRした。
サイトオートは、インキュベーター内で使用できるラボスケールサイズのシステムである。
◆三洋貿易
フォーミュレーション社製の液中分散安定性評価装置「タービスキャン」、画像解析式粘度計「フルーディカム」、溶解・結晶化評価装置「レオレーザー・クリスタル」を中心に、特徴のある海外メーカーの多様な製品を展示した。
タービスキャンは