三井化学の機能性コンパウンド事業部ではオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPV)「ミラストマー®」のグローバルな需要拡大に対応するため、国内外で生産能力の増強を進める一方、新グレードとして新架橋システムを導入した「Aシリーズ」(TPV)はじめ、新たに非架橋のエアバッグカバーケース専用グレード「TAシリーズ」(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー「TSシリーズ」(TPS)を製品ラインアップに加え、ミラストマー事業の拡充・強化を図っている。
TPVの生産能力は国内・袖ケ浦の「サンアロイ」で本年6月に1系列(5000t)の設備能力増強が完了し、年産2万5000t体制となった。中国・上海の「三井化学功能複合塑料(上海)」(同6000t)、ドイツの「サンアロイ・ヨーロッパ」(同1万t)、タイの一部委託生産を合わせ、グローバル生産能力は年産4・5万t体制となった。このほか北米では同社の製造・販売子会社(米国・オハイオ州)に設備導入(同6000t)を検討しており、2019年度から生産を開始する予定のほか、さらにアジアでも新プラント建設のフィジビリスタディを開始しており、20年には6万t規模に伸びる見込みとなった。
一方、エアバッグ装着車種の拡大に対応して新たに市場参入を図った「TAシリーズ」(TPO)については、同社のTPV生産拠点の