兵庫県立工業技術センター(神戸市須磨区)はこのほど、天然ゴムで立体造形物を作る世界初の「加硫ゴム3Dプリンタ」を3社と共同開発した。当面はランニングシューズの靴底を製作する用途として実用化を目指し、将来的には靴以外のゴム製品への活用を検討する。開発に参加した福地雄介技術参与、兼吉高宏主席研究員、長谷朝博上席研究員に聞いた。
―開発の経緯は。
内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)に採択されたためだ。神戸大学が核となり、アシックス、住友ゴム工業、バンドー化学、神戸工業試験場など地域企業と当センター、産業技術総合研究所が参加している。
神戸はゴムの街であり、ゴム関係の施設が整っている。また、京の着倒れ、大阪の食い倒れ、神戸の履き倒れと言われるように、神戸はシューズの街でもある。そこで、天然ゴムを素材に、3Dプリンタを用いたテーラーメイドのシューズ靴底を作ることを決めた。
また、開発にあたっては、素材開発の再委託という形でシバタ工業(明石市)と天満サブ化工(大阪市)に加わってもらった。
―難しかったのは。
素材だ。積層造形に適したゴ
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