住友化学の自動車材事業部では、オレフィン系熱可塑性エラストマー「エスポレックスTPEシリーズ」の中国での需要拡大に対応、このほど遼寧省大連市の同社ポリプロピレン(PP)コンパウンド拠点敷地内に熱可塑性エラストマー(TPE)の生産設備(年産5000~6000t)を導入、2019年の稼働を目指す。同社のTPEは常温ではゴム状の弾性を示す一方、高温では軟化して熱可塑性樹脂と同じ加工法で成形できる材料で、主にエアバッグカバー材やボディーシール材などの自動車部材として使用されている。
世界最大の自動車市場である中国においては、自動車の内外装向けPPコンパウンドの需要が拡大しており、安全意識の高まりによって、TPEを使用するエアバッグの搭載率も向上している。
同社では、現在、中国・大連に加え、欧州市場においても同社のPPコンパウンド工場内にTPEを製造(数千㌧)する設備の付加を計画しており、同社のTPEの製造拠点は国内千葉工場(年産1万t)、米国工場(年産1万2000t)、中国・大連、欧州と世界4拠点となり、グローバルに供給能力の拡大を図っている。
米国市場では主力の自動車用エアバッグ収納ケースの販売が堅調に推移しており、北米での自動車生産の拡大に加えて、メキシコやブラジルなど南米での自動車生産拡大に伴う需要増により米国工場の稼働率も上昇し、販売も拡大している。
国内需要は足元、前年上期の自動車生産減の反動もあり、自動車生産が回復、エアバッグカバー、ボデイーシール材、表皮材などの販売