コンチネンタルタイヤは9月25日、将来的に道路の安全性と快適性のさらなる向上につながる2つの新たなタイヤ技術コンセプトを発表した。
タイヤの状態を常時監視し、路面条件に合わせてタイヤの性能特性を適応させることができる技術で、それぞれ「コンチセンス」と「コンチアダプト」と命名された。最新のタイヤ調査結果とともに、フランクフルトモーターショー(IAA)で初めて展示される。
コンチセンスは、タイヤに内蔵されたセンサーから車内の受信機へ電気信号を送ることを可能にする、導電性ゴムコンパウンドの開発に基づいている。ゴムベースのセンサーがタイヤのトレッドの深さと温度を常時監視し、測定値が既定値を上回るか下回る場合、システムがただちにドライバーに警告する。
タイヤのトレッドに異物が刺さった場合は、タイヤ内の電気回路が閉じられ、ドライバーに緊急警報を発する。このため、タイヤの空気圧が下がり始めてからドライバーに通知する従来のシステムより迅速に反応する。
将来的には、コンチセンスシステムに独立して利用できるセンサーが追加される予定。これにより、温度や積雪の有無など、路面に関する情報をタイヤが「感じ取り」、ドライバーに知らせることが可能となる。データは、車載エレクトロニクスだけでなく、Bluetoothやスマートフォンへの伝送を行うこともできる。
コンチアダプトは、ホイールに組み込まれたマイクロコンプレッサーを利用し、リム幅を変えることでタイヤの空気圧を調整する。これにより、安全性と快適性の両性能で決定的要因となる接地面積を、あらゆる路面条件下で調整することができる。
また、4つの接地面積の組み合わせにより濡れた路面、凹凸のある路面、滑りやすい路面、通常路面で優れた適応性を発揮する。例えば、タイヤの空気圧を高くして接地面積を小さくすると、転がり抵抗が低くなり、滑らかな乾いた路面でエネルギー効率の高い走行ができる。対照的に、空気圧を低くして接地面積を広くすると、滑りやすい路面で理想的なグリップを発揮する。
また、システムは1バールを下回る非常に低い空気圧の設定も可能なため、例えば積雪の深い場所での車庫入れや、凍結した路面を横切る際など、車をゆっくりと動かしたい場合にも対応する。
コンチセンスとコンチアダプトは、コンセプトタイヤに搭載されることで、システムの長所が最大限に発揮される。
タイヤのトレッド面は濡れた路面、滑りやすい路面、乾いた路面用の3つのゾーンに分かれてデザインされており、タイヤの空気圧とリム幅の変化により、異なるトレッドゾーンの効果が発揮されることで、コンセプトタイヤは状況に最適な「フットプリント(接地面積)」を作り出す。
このように、タイヤ性能を路面条件やドライバーの好みに合わせることが可能となる。