16日は世界食料デーだった。国連によると、世界の飢餓人口は全人口の約1割に当たる8億1500万人に達した。一方、国連食糧農業機関(FAO)によれば、世界では年間13億tほどの食品が廃棄されており、これは世界の飢餓人口を養えるほどの量に当たるという。
したがって、食品ロス問題の解決は飢餓問題の解決につながるだろう。各国は様々な取り組みを行っているが、その一助となる製品がある。エチレン―ビニルアルコール共重合体(EVOH)だ。
EVOHと言われてもピンと来ない人がほとんどだろうが、マヨネーズや食用油、ハム、辛子などの容器として幅広く使われていると言えば、すぐに分かるはずだ。驚くべきことに、その世界シェアは日本の2社がほぼ独占しており、クラレが約65%、三菱ケミカル子会社の日本合成化学が約35%となっている。
EVOHの特長はガスバリア性が高い、つまり酸素をほとんど通さないこと。このため、食品の賞味期限を延ばすことができ、食品ロスを減らすことにつながるわけだ。
「エバール」の製品名で事業展開しているクラレのEVOHは、