ホース特集 八興 ホース・継手のセット販売強化 パンフレットで安心安全訴求へ

2017年10月12日

ゴムタイムス社

 八興(東京都板橋区、阿部忠弘社長)の17年度上期(4~9月)需要動向は、好調だった前年上期と比べると若干落ち着いたものの、堅調に推移した。業界別では、半導体関連は前期後半から良くなり、上期もその勢いが継続。食品など他の業界も安定している。

 製品別では、主力の「柔軟フッ素・チューブシリーズ」は順調に販売を伸ばしており、上期も2桁増となった。柔軟性に優れ作業性が良好、耐薬品性、耐摩耗性などを特長とする同シリーズは、顧客ニーズに応えるべく、バリエーションを増やしている。また、海外にない商品でもあるため、ホームページ(英語版)を通じて海外からも引き合いが増えている。

 そのホームページでは製品のサンプル出しやオーダーメイドの依頼も多い。オーダーメイドはすでに5000件を超える実績があり、ホームページはさらなる情報充実を図っていく。

 現在、同社が力を入れて取り組んでいることは、新製品「導電スーパー柔軟フッ素ホース・チューブ」の拡販と「ホースと継手(ジョイント)のセット販売強化である。

 「導電スーパー柔軟フッ素チューブシリーズ」については、アルコールや香料、有機溶剤など可燃性流体の移送に適した静電気対策ホースで、業界初ホースの電気抵抗値が国際指針に準拠している。

導電スーパー柔軟フッ素ホースシリーズ

導電スーパー柔軟フッ素ホースシリーズ

 「新製品は顧客に認知されるまで通常1年~2年近くかかるが、導電シリーズは類似製品がないため、発売後すぐに大きな反響があり、実績も出始めている」(同社)とのこと。

 また、16年11月には顧客から要望の多かった内径25ミリのスプリングタイプを追加した。ただ、顧客からはさらに大きな口径を求める声もあり、サイズを拡充する計画だ。

 2つ目のホースと継手のセット販売強化では、異なるメーカーのホースと継手を使い続けると、①ホースの破裂、②ホースの抜け、③ホースの漏れなど不具合が起きやすい。

 そこで同社は、同社ホースと専用継手を一緒に使うことで、「安心・安全・長寿命」につながるといった点を訴求するパンフレットを作成し、9月から販売店を通じて2次販売店やユーザーに配布している。今後もこうした取り組みを積極的にアピールしてもらえるように、「代理店や販売店、ユーザー様とより良い関係を構築していきたい」(同社)と考えている。

 今後のホースの市場環境については、大きな落ち込みはないとし、17年度下期も堅調を維持していく。これにより、17年度通期も前期を上回る数字を計画している。

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