JSRが新中期経営計画「JSR 20i9」で成長事業として位置付け、タイヤ材料技術開発センター、石化事業部タイヤ材料部、SSBR事業推進部が一体となって事業の拡充・強化を図っている低燃費タイヤ向けS―SBRについては、「ハイエンドの追求とミドルレンジの拡販により順調に販売を伸ばしており、第1四半期は売上高で前年同期比約3割の伸びを確保」(山脇一公石化副事業部長兼石化事業企画部長)した。
中国・天津の技術サービスセンターの開設や韓国、ドイツの販売拠点で海外市場での販売、技術サービスの強化を図っており、タイヤの配合提案、自社ポリマーの技術支援サービスを行い、製販一体での拡販が実ってきた。また、開発から製造までを一体化して横串を通した四日市工場のタイヤ材料技術開発センターでの活用も大きな成果を挙げているという。2021年から欧州で強化される排ガス規制(ユーロ6)による自動車タイヤに求められる性能については、第4世代をもう一段性能をアップし、低燃費性能と耐摩耗性を更に向上させた第5世代を開発。「欧州のタイヤメーカーを中心に18年度ぐらいから欧州規制に向けた低燃費タイヤの設計、開発が本格化する。現在、当社が進めているアプローチが18年度以降、実を結ぶ」(同)とし、技術開発競争が激化する中、第5世代製品の拡販によりハイエンドゾーンでも大きくリードする計画だ。
合わせて中国でのタイヤラべリング制度の導入で需要環境は追い風であり、これに対するS―S