宇部興産の合成ゴム事業は、タイヤ用途を中心に出荷が堅調推移、原料ブタジエン価格の上昇に伴う販売価格の上昇もあり増収となった。
足元のBR需給動向については、世界的に旺盛なタイヤ需要に支えられ、世界4拠点ともに高稼働を維持している。
国内販売はタイヤ向けの共同開発製品や建設機械タイヤの需要が堅調に推移しており、千葉工場(年産12万6000t)でのフル稼働が続いている。
タイの「TSL」(同7万2000t)も差別化製品の販売拡大でフル生産、フル販売が継続。タイ市場は中国のタイヤメーカーの新プラントが稼働するなどタイヤ生産が高稼働でBRの販売も堅調推移している。
依然供給過剰が続いている中国市場では、タイヤのラべリング制度の導入やトラック過積載の規制強化によるTB用タイヤ、SUV車の拡大に伴うSUV用タイヤの生産好調により中国・南通工場(同7万2000t)の稼働率は8割までに回復している。日系、欧米系タイヤメーカーでの採用が進み、樹脂改質用HIPSの需要も拡大しているという。
マレーシアの合弁会社「LUSR」(年産5万t)は、タイのTSLがアジアや他の国に出荷していた部分をマレーシア工場に置き