第12回日本ゴム工業会 幹事会詳報

2017年11月01日

ゴムタイムス社

 第12回幹事会を大阪で開催 会員の経営指数調査発表

 日本ゴム工業会は10月20日、大阪市のホテル阪急インターナショナルで第12回幹事会を開催し、ゴム製品の生産・輸出入概況や昨年度の会員企業の経営指数調査結果などを発表した。

 幹事会の冒頭、あいさつに立った南雲忠信会長は「 今年は全体では6年ぶり、ホースや工業用品類では3年ぶりに生産のプラス展開が見込まれる状況となっている。中小企業景況調査を見ても、景気に一定の明るさを感じている企業が増えている。一方で、生産設備の不足や老朽化、人手不足や人件費増加という課題も出てきている」と業界の現況を説明した後、「ゴム産業を取り巻く状況も大きく変化している。自動車でEV化が進んでおり、製品によっては一部に影響が出ている。ゴム製品はいうまでもなく、優れた特性、特徴を持った製品です。工夫次第では更なる用途展開の余地があると思います。そのためには、技術やそれを活かせる柔軟な発想を磨き、変化に対応していくことが重要だと思う」などと話した。

 事務局からの各委員会報告ではゴム製品の生産・輸出入概況や経営関係事項として、会員企業の経営指数調査、環境委員会関係事項として、「VOC排出削減に関する自主行動計画」のフォローアップ結果やCO2削減に関するフォローアップ結果、ISO/TC45国内審議委員会関係事項が報告された。

 経営関係事項
 企業業績 経常利益9%減

 2016年度会員企業経営指数調査は、1967年に開始されて以来、今回で51回目。
 調査は今年6月。会員企業103社を対象とし、このうち回答企業77社を集計。

 77社の業種別内訳は自動車タイヤ4社、工業用品46社、はきもの5社、その他22社で、従業員別内訳は、従業員数3千人以上が5社、1千人から3千人未満6社、3百人から千人未満21社、百人から3百人未満25社、百人未満20社という内訳。 中小企業基本法の定義による規模別では、大企業が24社、中小企業53社となっている。中小企業比率は7割。

 集計項目としては、回答企業単体の16年度決算数値を対象として収益性、資本構成及び生産性に関する11種目の指数を集計。増収企業は36社(47%)、減収企業は41社(53%)となり、増益企業は45社(58%)、減益企業は32社(42%)。

 77社のトータル売上高は3兆2692億円、前年対比6・3%の減少。自動車タイヤ(4社)の売上高が1兆7606億円、同10・8%減、工業用品(46社)は1兆749億円、同0・2%増、はきもの(5社)は393億円、同0・4%減、その他(22社)は3944億円、同2・1%減となっており、工業用品以外全ての項目が落ち込んだ。

 経常利益についてはトータルで3862億円、同9・0%減。自動車タイヤが2902億円、同12・4%減、工業用品672億円、同3・7%減、はきもの11億円、同193・6%増、その他277億円、同20・6%増となっており、はきものの経常利益の増加が目立つ。

 売上高経常利益率については、総平均が11・8%(前年度12・2%)。自動車タイヤが16・5%(同16・8%)、工業用品6・3%(同6・5%)、はきもの2・9%(同1・0%)、その他7・0%(同5・7%)となっている。

 環境関係事項
 VOC排出量 目標達成会社24社

 VOC排出削減に関する自主行動計画のフォローアップ結果については、2016年のVOC排出量は、7192tと2000年度比67・6%の削減となり、目標を17・6pt上回った。

 2016年度の目標を達成した会社は24社(前年比1社減)で、原単位指数は2000年度比36・3となり、前年と同水準を維持している。これは、各社が取り組んだ使用量の削減、溶剤の転換・水性化、溶剤の回収・再利用、使用方法の工夫等の努力の結果であり、引き続き、排出量ならびに原単位の削除努力を続けていく。

 CO2削減に関するフォローアップ結果については、CO2排出原単位は、2005年度比91・8%となった。

 2016年度は生産量が基準年度比79・4%(122・8万トン、前年度比98・5%)と大幅に縮小したため、固定エネルギー分の影響は引き続き大きくなっているが、省エネルギー推進のほか、コジェネ運転による買電量削減等により、原単位が改善し、CO2排出原単位は前年度比マイナス1・5ptとなった。

 資材関係事項
 ブタジエン価格上げ基調に

〈原油・ナフサ価格の推移〉
 資材関係の動向については、10月13日現在のデータが開示された。

 原油相場は、2017年5月以降、米国、リビア等での

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