GfKジャパンは10月13日、全国のカー用品店とメーカー系列を除くタイヤ専門店、ガソリンスタンド、インターネットでの乗用車用冬タイヤの販売動向を発表した。
今シーズンの冬タイヤ商戦は例年より早い立ち上がりとなった。夏タイヤに続き、冬タイヤの小売り価格も9月に引き上げられることになり、駆け込み需要が発生したためである。
冬タイヤの販売本数は価格引き上げ直前の8月第4週(8月28日~9月3日)には前年の4・5倍となり、8月第1週から9月第4週までの累計(8月7日~10月1日)でも前年の1・6倍となった。
ただ、この特需は需要の先食いとも言え、本格的な商戦期となる10~11月に、早期の降雪などによって特需の反動減をどのくらい補えるかが注目される。
昨シーズンの販売動向を振り返ると、首都圏では16年第47週(11月21~27日)に販売本数が一気に増加した。
降雪の可能性があるとの予報が数日前から出され、12月以降の降雪を見据えて冬タイヤへ履き替えようとする動きが多く見られ。この予報によって、首都圏の11~12月の冬タイヤの販売本数は約2割押し上げられたと推計される。
なお、昨シーズン(昨年8月~今年2月)の冬タイヤ販売は、本数で前年比3%増と拡大基調にあった。ただし、乗用車の保有台数ベースで考えると、冬タイヤの販売(新規・既存の買い替え)が発生した車は、全国でもわずか6%だったと計算される。
早期の降雪予報で需要が喚起された首都圏での割合はさらに低く、4%に留まった。稼働台数ベースで考えると、これらの割合はやや高まるが、それでも冬タイヤ販売の成長の余地は大きいといえるだろう。