創業100周年を迎えた横浜ゴムは次期中計(GD2020)でタイヤ事業の復権を目指す。
「創業時の国内タイヤ市場において当社は首位の座を得ていましたが、今現在は3位であり、世界ランキングを見ても、以前、当社が技術供与をしていた韓国の韓国タイヤに抜かれ世界8位の位置にある。我々はこうした現状に真摯に向き合い、もう一度、横浜ゴムの存在意義について問い直してきました」。横浜ゴムの山石昌孝社長が、創業100周年感謝のつどいの席上、次の100年に向けての同社の方向性を示唆した。
横浜ゴムではその存在感を高めるため、18年度からスタートする中計(GD2020)で同社の強みを再提起し、独自路線を強化した「タイヤ消費財戦略」「タイヤ生産財戦略」「MD・ゴルフ戦略」の3つの横浜スタイルを柱に新機軸を打ち出す方針だ。
タイヤ事業を取り巻く環境は、足元では中国を筆頭とする新興国のタイヤメーカーの追い上げが激しく、その競争も激化している。自動車業界も自動運転技術の急進やシェアリングエコノミーの拡大、ガソリン車から電気自動車へのシフトなど大きな転換期を迎えている。これに伴いタイヤ市場はコモデティ化が進行する恐れがある一方で自動車のプレミアムカーの比重も高まっており、これらの自動車には高い技術力や特徴のあるタイヤが求められてくる。
同社ではこうした自動車業界の転換期に対応したタイヤ消費財、タイヤ生産財における事業戦略を構築、新中計でタイヤ事業のプレゼンスをさらに高める方針。生産、販売、技術の各分野でのグローバルネットワークを生かし、
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