JSR㈱(小柴満信社長)は、米国の半導体製造技術研究組合であるSEMATECH(セマテック、米テキサス州)と共同で、世界で初めてEUV(Extreme Ultraviolet=遠紫外線)リソグラフィを用いて15ナノメートルハーフピッチのパターンが化学増幅型フォトレジスト(感光性樹脂)で形成できることを実証した。
同社では今回、10ナノメートルレベルのパターン形成を実現したことにより、EUVリソグラフィの実用化に向けて大きく前進したとしている。
EUVの露光波長は13・5 ナノメートルと、現在最先端の半導体製造で使われているArF(193 ナノメートル)に比較して1/10 以下であり、解像度に優れていると言われている。しかし、現在、一般的に 使用されている化学増幅型フォトレジストでは、感度は優れるものの、解像度においては同社が2011年3月に発表した19ナノメートルハーフピッチが最も微細なパターンであった。
今回、同社は、露光によって発生する酸の拡散による解像度低下という化学増幅型フォトレジストの問題に対して、酸の拡散挙動の制御をはじめとする精密な材料設計により、15 ナノメートルハーフピッチの解像が可能なEUV 用化学増幅型フォトレジストを開発した。