クラレの2017年12月期第3四半期連結決算は、売上高が3796億6300万円で前年同期比5・2%増、営業利益は584億1100万円で同11・1%増、経常利益は571億4600万円で同10・6%増、四半期純利益は375億1200万円で同9・2%増となった。
ビニルアセテートの売上高は1953億9600万円で同2・5%増、営業利益は479億400万円で同6・4%増となった。
ポバール樹脂は米国市場を中心に販売量が増加し、好調に推移した。光学用ポバールフィルムは販売量が増加した。なお、第2四半期から西条事業所の新設備の稼動を開始した。
水溶性ポバールフィルムは、引き続き需要が旺盛な個包装洗剤用途を中心に好調。PVBフィルムは高付加価値品の拡販が進んだ。EVOH樹脂「エバール」は、食品包装用途・自動車ガソリンタンク用途ともに販売量が拡大した。
イソプレンの売上高は417億8200万円で同8・8%増、営業利益は64億4900万円で同16・8%増となった。
イソプレン関連では、ファインケミカル・熱可塑性エラストマー「セプトン」・液状ゴムは数量が伸長し、順調に推移した。耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」は、自動車用途・コネクタ用途・LED反射板用途のいずれも数量が伸長し、好調だった。
機能材料の売上高は520億5500万円で同3・7%増、営業利益は57億2900万円で同67・7%増となった。
メタクリルは好市況を背景とした収益の改善により、好調に推移した。メディカルは歯科材料のジルコニア系新素材の販売が寄与し、順調に推移した。
人工皮革「クラリーノ」は、既存プロセス品・新プロセス品ともに順調に推移した。炭素材料は活性炭の高付加価値品の販売量が増え、順調に推移した。
繊維の売上高は385億5800万円で同8・7%増、営業利益は46億3200万円で同1・0%減となった。
ビニロンの数量が引き続き拡大したが、原燃料価格上昇の影響を受けた。また、生活資材はクラフレックスの高付加価値品の拡販が進み、順調に推移した。
トレーディングの売上高は946億3600万円で同8・5%増、営業利益は28億6300万円で同8・7%増となった。
繊維関連事業は国内衣料分野のスポーツ・ユニフォーム用途が堅調だったが、輸出は苦戦した。一方、海外縫製事業はベトナムで昨年行った増強投資の効果があり拡大している。
資材分野全般も堅調に推移した。加えて樹脂・化成品関連分野は輸出を中心に順調に推移した。
その他事業は、概ね好調に推移した結果、売上高が375億7600万円で同11・3%増、営業利益は20億300万円で同127・6%増となった。
通期の連結業績予想は、第2四半期に利益項目を上方修正した予想から、売上高のみ下方修正を行った。売上高は5100億円で前期比5・1%増、営業利益が750億円で同10・6%増、経常利益が730億円で同10・3%増、当期純利益が460億円で同13・9%増を見込んでいる。