信越化学工業は11月13日、主要製品の一つであるシリコーンの全製品を、国内外で来年1月出荷分から10~20%値上げすると発表した。
現在、シリコーンの主原料である金属ケイ素の価格が上昇している。その背景には、主要生産地である中国で、原料のケイ石と金属ケイ素の生産に使われる電極、石炭価格の高騰により、製造コストが上昇していることが挙げられる。
また、中国の環境規制に適応できない工場が稼働を停止していることで、供給量の低下が続いている。このため、金属ケイ素の価格はさらに上昇する見通しだ。さらに、シリコーンの製造に必要なエネルギーや輸送費、副資材などの費用も上昇している。
同社では、製造コストの削減による自助努力だけでは、これらのコストの上昇分を吸収することが困難となり、上昇したコストの一部を販売価格に転嫁せざるを得ない状況となったとしている。