信越化学工業で、シリコーンゴムの成形・加工のテクニカルサービスを行う「シンエツ・モールディング・テクニカルラボラトリー」(埼玉県東松山市)がこのほど竣工し、運用を開始した。国内で5割以上のシェアを持ち、アジア・米国・欧州にも生産拠点を持つシリコーン事業のさらなる拡大に向けて設けられた同施設について、佐志田裕ラボラトリー長に聞いた。
―ラボ建設の経緯を。
元々、LIMS(液状シリコーン射出成形システム)用シリコーンゴムのテクニカルサービスを行う「LIMSテクニカルセンター」がありました。
テクニカルラボラトリーは、この施設の機能を拡張する形で建設しました。新しい施設の目的は、従来の液状シリコーンゴムだけでなく、成形に適したシリコーンゴム全般について顧客に成形加工技術を紹介し技術支援を行うことで、シリコーンゴム材料の市場拡大に寄与することです。
新施設の建屋面積は従来の3倍の約1000㎡で、成形機は3台から8台に増やしています。
―運用について。
メインの活動は顧客に実際の各種シリコーンゴムの成形を見てもらうことです。その上で、どうしたらより短時間に作れるか、作りづらい形をどう作るか、製品の外観エラーをいかに無くすかといったことを顧客と共に検討していきたいと考えています。
来場者には当社のユーザーもいますが、シリコーンゴム成形を見たことさえないという人もいます。例えば、これ
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