JSRは1月31日、2011年3月期第3四半期連結決算を発表した。売上高は2553億3900万円、前年同期比12・4%増、営業利益299億 4100万円、同164・9%増、経常利益320億3800万円、同166・2%増の増収増益となった。四半期純利益は206億5200万円で同239・ 9%増。
リーマンショック後の景気回復により、売上高、収益ともに前年同期を大きく上回る増収増益となったが、ピーク時との対比では85%程度の回復度合いで、 発表に臨んだ春木二生専務取締役は「回復基調にはあるが、まだ途上段階。原油・ナフサ価格の高騰が今後も予想され、事業採算を確保することが新年度以降も 重要課題になる」などと語った。
原料面では、ナフサ価格が前年第1四半期以降上昇に転じ、石油化学系事業における主要原材料価格は軒並み上昇し、収益圧迫要因となり、合成ゴム・エラストマー製品の価格改定の早期決着を目指す。
同社グループは、石油化学系事業では拡販に注力、情報電子材料を中心とした多角化事業では最先端材料の拡販に注力した。また、コストダウン・プロジェクト「E―100」を推進し、全グループ企業においてコスト抑制に努めた。
合成ゴムの国内販売は、汎用合成ゴムは自動車や自動車タイヤ生産が堅調に推移し、販売数量・売上高とも前年同期を上回った。機能性特殊ゴムも自動車生産 が増加、販売数量・売上高ともに前年同期を上回った。輸出は汎用、機能性特殊ゴムともに販売数量は下回ったが、主要原材料価格の上昇に対応した価格改定等 で増収となった。
セグメント別の売上高は、エラストマー事業部門は売上高1192億6900万円、同23・1%増、営業利益は99億800万円で黒字化した。合成樹脂事 業部門は売上高390億5000万円、同10・9%増、営業利益は24億5600万円で黒字化した。多角化事業部門の売上高は970億1900万円、同 2・1%増、営業利益は175億300万円、同20・6%増となった。
2011年02月14日