住友理工は11月20日、東京ビッグサイトで29日から開催される「2017国際ロボット展」に初出展すると発表した。
日本では、これまで産業用ロボットは安全柵などを用いて人と分離する必要があり、共存・協調作業が認められていなかった。
しかし、製造現場での人手不足の解消などを目的に、厚生労働省が2013年12月に規則を改正。この規制緩和によって、ロボットの停止監視や人とロボット間の相対距離・速度監視など、産業用ロボットのための安全要求事項を定める国
際規格ISO10218の条件を満たしている環境下では、モーター出力が80Wを超えるロボットとの共存・協調作業が可能となった。
柵設置のコストやスペースが不要になることで、ロボット導入のハードルが下がるほか、人と近い距離で分担協業を行えるようになるなど、柔軟な生産ライン構築や幅広い分野でのロボット活用が期待されている。
この規制緩和を踏まえ、同社は独自開発の「スマートラバー(SR)センサ」技術を応用し、人とロボットが接触する前に、ロボットを安全に停止させることができる産業用ロボット向け「ロボット安全外装」の開発を進めている。
ロボット安全外装は内蔵している静電容量型のセンサーにより、人との接近を検知することができる。人とロボットが一定距離まで近づくとセンサーが検知し、ロボットの動きを減速。さらに衝突のリスクがある場合は動作を停止させる。
同製品には、伸ばしても導電経路を保持する柔軟なゴム製のセンサーを採用した。このセンサーは曲面にも設置することができるため、外装設計の自由度の高さに寄与している。この特長を生かし、既存のロボットの形状に合わせて外装を設計し、後付けでの装着を視野に入れた開発を行っている。
さらに制御システムの安全に関して規定したISO13849の認証取得を見据え、センサーと計測回路を2つ兼ね備えた二重安全機構を採用するなど、安全性の向上を追求している。
今回の2017国際ロボット展には、このロボット安全外装を装着した産業用ロボット2台を参考出品。協調・共存ロボットの導入に高い関心を持つ来場者に製品の機能を体感してもらい、ニーズを今後の開発に反映させていく考えだ。