ダイセル・エボニック 複合シートをリーガルが採用

2017年12月04日

ゴムタイムス社

 ダイセル・エボニックは12月1日、東京・新宿の本社で、リーガルコーポレーションの紳士用機能性ブーツのソール部材として採用された、樹脂とゴムの複合シート「R―COMPO(Rコンポ)」に関する記者説明会を開催した。

Rコンポを採用した「リーガルウォーカー284WBBW」

 最初に福居邦夫副社長が会社の概要を紹介した後、パフォーマンス営業部の脇園隆之介氏がRコンポの説明を行った。

会社の概要を説明する福居副社長

 Rコンポはすでにニューバランスのスポーツシューズを始め、リーガルの紳士靴にも採用されているが、今回は雪面向けに新たに開発された製品が「リーガルウォーカー284WBBW」に採用された。

Rコンポの説明を行う脇園氏

 Rコンポの開発でカギとなる技術として、脇園氏は同社の「K&K」を紹介した。これは、本来接着しないポリアミド樹脂(プラスチック)と、ゴムあるいはTPU(熱可塑性ポリウレタン)を接着剤を使わずに、化学反応により直接接着する技術である。

 Rコンポの新開発品では、同社の高機能ポリアミド樹脂と、中野製作所の新開発の高機能ゴムを融合させたことで、軽量・高撥水・高グリップ・耐摩耗性・意匠性を実現し、リーガルのウィンターシューズの新製品のソールとして採用されることになった。

 続いて、中野製作所タスクマネジメントグループの中山義一マネージャーが、ウィンターソール向けに開発した高機能ゴムと製造技術である「ラジカロック」について説明を行った。

 中野製作所の中山マネージャー

 新しいゴムの開発に当たっては、寒冷地でのグリップ性能の向上とドライ路面での耐摩耗性の向上、現行と同等のゴム硬度という目標がリーガルから設定された。これに対し、同社では低温下でも硬化しづらいゴムの選定と配合設計を行い、ゴムが本来持つ特性を生かした製品を開発した。

 一方、ラジカロックはK&K技術をベースとする、ゴムの接合技術と成形技術から成る製造技術であり、Rコンポの製造にも使われている。K&Kは研究開発の技術としてダイセル・エボニックが特許を取得しているが、実用的な製造方法は中野製作所が開発し、ラジカロックと命名した。

 なお、中山マネージャーは今回のRコンポの開発について

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