2017年ゴム業界の10大ニュース タイヤが6年ぶりに値上げ

2017年12月07日

ゴムタイムス社

 2017年のゴム業界をめぐる事業環境は、天然ゴム価格や原油・ナフサ価格の高騰などにより、年間を通して製品価格の値上げが続いた。特にタイヤは2011年以来、6年ぶりの値上げとなった。需要状況としては、国内では自動車生産が回復、建設機械や工作機械などが好調、東京オリンピック関連のインフラ整備も進んでいることで、比較的良好だった。海外では北米の自動車販売がやや減速したものの景気は底堅く、中国やアジア市場が全般的に堅調、欧州や南米の自動車市場が回復傾向にあるなど、全体的に見るとこちらも良好だったと言える。

 ▼タイヤ各社が6年ぶりに値上げ
 タイヤの主要原料である天然ゴム価格の高騰に加え、合成ゴムやカーボンブラックなど石油化学関連の原材料も高止まりしていたことを受けて、タイヤ各社は6年ぶりに値上げを実施した。

 ▼ゴム企業の新卒採用者数が大幅に増加
 本紙がゴム企業とゴム関連企業に対し、17年度の新卒採用状況に関するアンケート調査を実施したところ、昨年も回答のあった22社の新卒採用者数は1124人で、昨年に比べ106人増えたことが分かった。回答のあった26社の新卒採用者数は1143人だった。

 ▼上場ゴム企業の17年3月期は減収が過半数に
 JSR・日本ゼオンの合成ゴム大手2社を含む主要上場ゴム企業22社の17年3月期決算は、円高の影響で増収企業が前年同期の14社(64%)から10社(45%)に減少。利益面でも円高の影響もあり、営業増益企業数が17社(77%)から15社(68%)に減少した。増収営業増益企業数についても、11社(50%)から7社(32%)に減少しており、円高の影響の大きさを示している。

 ▼原材料の値上げ続く
 原油・ナフサ価格、物流コストや電力料金などのユーティリティコストの上昇により、原材料メーカーでは値上げが相次いだ。さらには、アジア市場での需要増による需給のタイトさも加わり、再値上げ、あるいは値上げ幅を修正する企業もあった。

 ▼冬タイヤ商戦に6社が新製品投入
 今冬のタイヤ商戦に日本ミシュランタイヤ、日本グッドイヤー、横浜ゴム、ブリヂストン、東洋ゴム工業、住友ゴム工業の6社がスタッドレスタイヤの新製品を投入した。

 ▼ゴム相場がほぼ4年ぶりに300円台に
 1月の東京ゴム相場の当限終値は、大発会の271・4円から始まり、先限とほぼ同水準でゆるやかに上昇し、2013年3月以来3年10ヵ月ぶりに300円の大台に乗せた。

 ▼住友ゴムがスポーツ事業を強化
 住友ゴム工業はスポーツ事業を強化するため、海外ダンロップ商標権などを買収するとともに、グループのスポーツ事業を統合することにした。

 ▼日経平均上昇を背景にゴム関連株も上昇
 米国経済好調や円安などを背景に、日経平均株価は4月以降、上昇基調で推移。6月には2万円、10月には21年ぶりに2万2000円を超え、11月10日には2万3000円台に突入した。10月には16連騰となり、最長記録を更新した。

 ▼ニッタが国内で企業・事業を続けて買収
 ニッタは中長期経営計画「V2020」で掲げた「新事業・新製品創出」の実現に向け、浪華ゴム工業と東洋ゴム工業グループの化工品事業を買収することになった。

 ▼「ZSエラストマー」が営業開始
 日本ゼオンと住友化学の溶液重合法スチレンブタジエンゴム(S―SBR)事業の統合会社「ZSエラストマー(ZSE)」が、4月に営業を開始した。

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