東レ・ダウ モリコート70周年でプレスセミナー開催

2017年12月06日

ゴムタイムス社

 東レ・ダウコーニングは12月6日、東京・丸の内の本社で、モリコート特殊潤滑剤が来年70周年を迎えるに当たり、プレスセミナーを開催した。

 二酸化モリブデンの商業化からスタートしたモリコートは、汎用の潤滑剤にはない、高温から低温での耐荷重・摩耗防止を実現。自動車用途から一般工業用途まで幅広く使われており、ゴムやプラスチック向けの潤滑コーティング剤も製品化されている。

 セミナーでは最初に、筧徹・研究開発部門長が70年のイノベーションの歴史を紹介した。1948年にモリコートの製造を開始した企業を、64年に既存のシリコーン系潤滑剤の補強のためダウコーニングが買収。日本では73年に販売を始め、76年に製品開発と製造も開始した。

 70年代に入ると二硫化モリブデンの代わりとなる白色固体潤滑剤を開発。80年代に小型・軽量化のため、様々な部品が鉄からプラスチックに代わるのに伴い、プラスチック用グリースなどの開発に注力した。

 90年代にはエンジンピストンコーティングに代表される、ペイントタイプの潤滑剤の用途開発が活発化した。その後、2000年代は環境問題に対応した製品、最近では新規消音グリースや耐熱耐久グリースなどの差別化製品を開発している。

 このうち、消音グリースは低温特性と消音特性を両立した新しいタイプのグリース。耐熱耐久グリースは、耐熱性のあるフェニルと耐摩耗性を持つフロロを合成することで耐熱性と耐摩耗性を両立させた。

 筧部門長は今後について、市場や技術的なメガトレンドに着目した製品開発を行うとともに、70年間にわたって顧客に提供してきたソリューションを継続していく方針を示した。

 続いて坂巻満弘・自動車マーケティング・マネジャーが自動車用途の説明を行った。

 坂巻マネジャーはモリコートが自動車に選ばれ続けている理由として、マイナス40℃の低温から80℃、用途によっては120~250℃の高温下で確実に作動すること、プラスチック・アルミなどを含めた多様な素材への対応、顧客の使用条件に合わせたカスタマイゼーションなどを挙げた。

 また、代表的な使用例としてエンジンコントロール部品用高温グリース・シート調整機構用グリース・ブレーキパッドクリップコーティング・ワイパーブレードコーティングの4つを紹介。このうち、ワイパーブレードコーティングはブレードから発生するノイズを防止するほか、耐久性が高く、撥水ガラスにも対応できると説明した。

 さらに、新製品として紫外線(UV)照射で硬化した潤滑皮膜を作るモリコート「D―9100」を紹介した。従来の潤滑皮膜は

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