バンドー化学は12月11日、準クリーンルームを含むクリーンルームなどで問題となっている、落下塵の可視化を実現した異物検査ツール「BANDO DEC―20」を開発し、1月から販売を開始すると発表した。
電子部品の高密度・高性能化に伴い、製造現場ではクリーンルームを設置するなど、クリーン化対策が進んでいる。クリーンルームでは、空気中の浮遊塵埃が所定の清浄度レベル以下になるようクラス管理されているが、落下塵と呼ばれる堆積した異物は軽視されがちだ。
この落下塵は、作業者が動くことで舞い上がり、製品に付着するなど、製品不良の要因の1つとなっている。同社は、この落下塵に着目して「作業者が簡便に、異物を検出できること」を設計コンセプトとした簡易ツールとして、画像ソフトなどを併用した「BANDO DEC―20」を開発した。
同製品は製造現場でPCに接続するだけで、環境モニタリングの対象となる、目視で確認することが困難な皮膚・髪の毛・繊維・砂塵など20μmレベルの異物を可視化する。
また、画像ソフト「OPEN CV」と組み合せることで、異物の数量と位置情報を定量化。さらに、高さ172mm×幅260mm×奥行き132mm、重量950g、電源AC100Vの軽量・コンパクト設計を実現した。
製造現場では合理的・経済的な落下塵の可視化が求められている。同製品は電子部品業界だけでなく、同様の悩みを抱える食品業界など様々な産業分野で活用が可能だ。