得意とする事業分野の構造変化に対応するため、十川ゴムでは新製品開発に積極的に取り組んでいる。十川利男社長に昨年を振り返ってもらいつつ、今後の取り組みを聞いた。
―昨年を振り返って。
上半期(4~9月)の売上高は70億2000万円。当社は後半型とは言え、年間計画に対して2ポイントほどダウンしている。ガス関連や自動車の燃料系が減っている上、汎用品の出足が鈍かったためだ。
前期を支えたのは建設機械系だった。バイオディーゼル燃料ホースや設備装置系なども好調で、食品系では型物などが好調だった。シートは前期にあった物件ものが無くなったため分、ほぼ横ばいとなっている。
―中国紹興十川の状況は。
12月決算なのでまだ通期の業績は出ていないが、10月までのイメージではまずまずのところだ。日本から中国に発注しているのはほぼ金型成形品になる。中国国内向けでもこれら成形品や建機関係のホースを出荷している。
売上高の65%が中国国内、35%は日本向けということで、中国向けのウエイトが高くなっており、為替の影響をカバーした。
通期の売上高は前期比30%ほど伸びるのではないか。最終利益は前期を少し上回りそうだが、為替の影響を見てみないと分からないところはある。
―課題は。
自動車関連では、燃料系配管としてのホースやエンジン周りのパッキン類などが多い。しかし、EV化でこれらの需要が徐々に減少し
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