ブリヂストンは12月14日、東京・広尾の同社グローバル研修センターで歩行トレーニング装置の開発に関する発表会を開催した。
同装置は体に装着した空気圧式ゴム人工筋肉によって歩行動作をアシストしたり、負荷を与えたりするもの。シニアの健康増進を目的とした体力向上トレーニングに活用することを想定しており、来年には実用化に向けた実証試験を開始する予定だ。
最初に葉梨新一・執行役員多角化事業担当が、同装置を開発した背景を説明した。日本では、現在「平均寿命」と「平均健康寿命」の間の9年間が介護に必要な期間となっている。健康寿命を延ばせれば介護に要する期間が減り、社会保障費や介護などの問題が緩和できる。
葉梨執行役員は、その問題の解決策の1つとして、スイミングスクールなどを中心とする健康増進事業で培ったノウハウとゴム人工筋肉技術を組み合わせ、高齢者などの身体機能改善に役立てる同装置を開発することになったと述べた。
続いて、イノベーション本部の櫻井良フェローが同装置の概要を説明。開発に当たっては東京医科歯科大学と共同で行い、ゴム人工筋肉は同社が、システム制御技術については同社と東京医科歯科大が共同で開発したことを紹介した。
ゴム人工筋肉はゴムチューブとその周りの繊維を筒状に組み上げた補強層で構成され、ゴムチューブの中の空気を加減圧することで伸縮し、ヒトの筋肉のような動きをさせることができる。
特徴は、従来の電気モーターや油圧シリンダーを使う装置に比べ非常に軽く、