年頭所感 ランクセス 辻英男代表取締役社長

2018年01月12日

ゴムタイムス社

 年頭にあたり謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 2017年を振り返りますと、世界では様々な潮流の変化が起こり、企業にもより柔軟な対応が求められた年となりました。その中で、ランクセスは、4月に当社で過去最大となる米ケムチュラ社の買収手続きを完了し、添加剤事業を拡充したことで、一層バランスのとれたポートフォリオを備える新体制が整いました。これにより、安定した収益性を確保すると共に、相乗効果を高め、より収益性の高い企業へと成長する新たなマイルストーンを築くことが出来ました。
 日本市場に目を向けますと、2017年は、米ケムチュラ社との統合に伴い、6月に旧ケムチュラ社の従業員をランクセスの東京オフィスに迎え入れ、全12ビジネスユニットによる新体制での事業活動をスタートさせました。従業員の迅速かつ円滑な統合を進め、新規および既存のお客様により充実した製品及びサービスの提供が可能になりました。

■ランクセスの2018年の計画

 2018年に目を向けますと、ランクセスグループとしては、成長軌道をさらに推し進め、加速させていく年になると考えます。日本においても、グローバル市場と同様に、市場変動を受けにくい製品ポートフォリオへの注力、中規模市場におけるポジションの強化、革新的な製品用途の開発などによって成長戦略を推進してまいります。

 2020年を見据えた建設プロジェクトでは、国内での公共建築における幅広い実績を基に、市場に適した「持続可能な発展(Sustainable Development)」を推進する製品ソリューションの提供を進めてまいります。ランクセスの高品質な無機顔料「バイフェロックス(R)(Bayferrox(R))」および
「カラーサーム(R)(Colortherm(R))」を通して、建設会社各社が2020年に向けた建設プロジェクトで入札を勝ち取るために必要とされる「スタイル」「デザイン」「品質」「耐久性」に、付加価値を提供してまいります。

 ランクセスはまた、「持続可能なモビリティ(Sustainable Mobility)」を実現する最先端の軽量化ソリューションを提供していきます。進化する軽量化素材分野において、熱可塑性コンポジットシート「テペックス(R)(TEPEX(R))」や、高性能プラスチックの「デュレタン(R)(Durethan(R))」と「ポカン(R)(Pocan(R))」といった付加価値の高い高性能製品の提供を継続してまいります。2017年に発表された難燃性に優れた高性能プラスチックや、電気自動車向けの用途開発などと自動車メーカーに提供し、車の軽量化、低燃費化、CO2排出量削減に貢献していきます。さらに、特殊化学品の分野では、添加剤及び潤滑油事業との製品ポートフォリオの拡充により、建築、自動車、機械、電子・電気機器などの幅広い製造業の顧客ニーズに応じた製品ソリューションを提供してまいります。

 また、2016年後半からグローバルで開始した、「QUALITY WORKS(クオリティ・ワークス)」をテーマにしたコミュニケーションキャンペーンを今年も継続し、製品、サービス、技術、プロセスなど、製品を提供していくあらゆる過程においてクオリティを追求していきます。

 最後に、グループ全体で進める「デジタル化」への取り組みにも注力してまいります。日本においても、デジタル化により期待される変革を積極的に推進してまいります。

 2018年も、ランクセスはグローバル企業として、社会的、経済的責任を果たすと共に、ランクセスグループ一丸となって、事業のあらゆる段階において「クオリティ」を追求し、成長戦略を推進してまいります。

 最後になりましたが、皆様方のご多幸とご健勝を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

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