環境問題を始め、技術規格の標準化、天然ゴムを中心とする持続可能性への対応など、ゴム業界は様々な課題に直面している。そうしたなか、日本ゴム工業会はこうした課題にどのように対応していくのか。南雲忠信会長(横浜ゴム会長)に、昨年を振り返ってもらいつつ、今年の活動のポイントなどを聞いた。
―昨年のゴム業界を振り返って
昨年のゴム製品全体の生産量(新ゴム量ベース)は6年ぶりに前年実績を上回る見通しとなり、このことはゴム業界にとって大変喜ばしいと感じている。
製品別では、乗用車タイヤは前年を下回るものの、トラック・バス、特殊タイヤがプラスの見込みで、タイヤ全体では6年ぶりのプラス。また、工業用品類は、ホースが3年ぶり、ベルトが4年ぶりのプラスとなり、工業用品全体では5年ぶりのプラスを見込んでいる。国内生産は全般的に良い方向で推移していると思っている。
―昨年の活動は
環境問題では、CO2、VOC排出量削減などについて、工業会として数値目標を設定しており、引き続き削減への取り組みを推進してきた。VOC排出量削減については順調に推移している他、CO2排出量についても2020年の削減目標は達成できそうだ。これは生産が縮小する中で、固定エネルギー削減やコージェネレーションの設置など、会員企業の努力・協力の賜物だと思う。
さらに、3Rについてもリサイクル施設の見学会等を積極的に進めているところで、今後も環境への対応を強化していく。
海外対応にも積極的に取り組んだ。その一つとして、ミャンマーの天然ゴム加工品の品質向上に関しては、天然ゴムの国際認証制度への参加を目標とし、経済産業省の施策に基づき専門家の派遣に協力している。また、この一環として昨年9月末にミャンマーゴム協会(MRPPA)が研修のために来日したが、当会にも来会し、活発な意見交換を行
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