信越化学工業は12月20日、塩化ビニル樹脂(塩ビ)の国内向け販売価格を1月21日納入分から、15円/1kg以上値上げすると発表した。
同社は、今年4月にエチレン、ナフサを始めとした原燃料価格の急騰を理由に値上げを実施した。しかし、原油・ナフサ価格は今秋以降、相場が一段と上昇傾向にあり、さらにユーティリティや輸送のコストも上昇している。
これまで継続的にあらゆるコスト低減に努めてきたが、今回の原燃料価格の上昇は企業努力の限界をはるかに超えるものとなっており、塩ビの今後の安定供給を維持するためにも、値上げを実施することにした。
なお、塩ビの需要は国内で堅調に推移しており、海外ではインドで大きく伸長している。一方、中国で環境規制の強化などにより塩ビの供給量が減少していることから、アジアでの需給は逼迫しており、価格は高値で推移している。