年頭所感 日本ベルト工業会 新田元庸理事長

2018年01月09日

ゴムタイムス社

 謹んで新春のお慶びを申しあげますとともに、旧年中に賜りましたご厚誼に対し心より御礼申しあげます。

 平成30年の年頭にあたり、一言ご挨拶申しあげます。

 わたくし共、ゴムベルト業界を取巻く環境は、平成26年にやっとリーマンショックから立ち直りましたが、その後自動車のHV化やEV化による需要の減少、生産の海外移転等が続きました。

 その結果、平成29年度の生産量見込みは、ゴムベルト全体で2万6694t(前年比101%)、内需は2万604t(同105%)、輸出は6090t(同91%)の見込みです。残念ながら、3年連続して3万tの大台を割る見通しです。

 内需向け生産は、都市再開発や五輪需要に支えられ好調でしたが、輸出は生産拠点の海外移転の影響もあり日本での生産は、大幅前年割れの見込みとなりました。 
平成30年度のゴムベルト生産量予測は、2万6064t(前年比98%)としました。その内訳は、内需が2万283t(同98%)、輸出が5、782t(同95%)です。

 内需も経済環境が好転せず微減の見通しで、輸出も日本での生産が引き続き減少する見込みです。

 コンベヤベルトの平成29年度の生産量は1万4877t(前年比102%)の見込みです。その内訳は、内需が1万438t(同110%)、輸出が4439t(同86%)です。

 平成30年度の需要予測は、1万4179t(前年比95%)としました。その内訳は、内需が1万72t(同97%)で微減、輸出は4108t(同93%)で大幅前年割れの見込みです。

 伝動ベルトの平成29年度の生産量は1万1817t(前年比100%)の見込みです。その内訳は、内需が1万166t(同99%)、輸出が1651t(同107%)です。

 輸出は、前年増だが、内需が微減となり全体で前年並みを確保できる見込みです。

 平成30年度の需要予測は1万1885t(前年比101%)としました。

 その内訳は、内需が1万211t(同100%)、輸出が1674t(同101%)です。円高による輸入品増やHV車等の増産によるベルト需要構造の変化で内需向け生産はほぼ横這いと見ています。

 樹脂ベルトの平成29年度生産量は117万2300㎡(前年比107%)の見込みです。

 その内訳は、内需が112万8744㎡(同108%)、輸出が4万3556㎡(同100%)です。やはり内需のうち、3割強を占める食品需要が底固かったこと、それに加えて、物流需要が伸びてきた事が大幅増の要因でした。

 平成30年度の需要予測は120万9465㎡(前年比103%)と100万㎡の大台は確保できる見通しです。

 その内訳は内需が116万6855㎡(同103%)、輸出が4万2610㎡(同98%)です。食品・食品機械向け需要は底固く、精密機械などその他の需要も順調に回復してくると期待しています。

 ここ数年来、ベルト業界は、ボーダレス化した内外の経済変動を直接・間接に係らず大きく影響を受けてきています。

 原子力事故・震災、北朝鮮のミサイル、トランプ米大統領新政策、中国の景気減速等の外的要因が重なり、かつてない危機に直面しています。
一方原材料価格の変動・高止まりやエネルギーコストの高騰等、乗り越えなければならない課題が多々あり予断を許さない状況です。

 このような環境下、当ベルト工業会では、経済政策や、需要先動向等を的確に把握しタイムリーなデータサービスを行う一方、コンべヤISO規格国際幹事として日本の考え方をISOに反映させ日本規格の国際化を推進する等、尚一層のベルト業界発展のため貢献してまいります。

 内外ともにこの1年が良い年となり、皆様がますますご発展されますことを心から祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

新田理事長

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