日本ゴム工業会のまとめによると、17年1~9月のゴム・樹脂ロール生産実績は前年同期比0・6%の微減で推移。用途別では、構成比で3割を占める製鉄用は同2桁増と好調。製鉄用のゴムロールが主力の尾高ゴム工業は長寿命化に対応した高機能品が販売を伸ばしており、製鉄用ロールの売上は順調だ。
一方、印刷用は紙離れによる印刷会社数の減少などで同1%と伸び悩む。印刷業界では油性印刷からUV印刷への切り替えが進んでいる。このため、金陽社や加貫ローラ製作所、宮川ローラーなど各メーカーはUV用で高機能品の開発・拡販に注力。18年もこの流れが続きそうだ。
また、その他用は、フィルム用が堅調。フィルム用は食品の軟包装からIT関連までフィルムが使われ、その用途は幅広い。明和ゴム工業は本社(東京大田)の隣に「東京生産技術センター」を開設。高付加価値製品の開発拠点として、フィルム業界の厳しい品質要求に対応していく。フィルム用は期待分野の一つとして各社が注目している。