横浜ゴムは12月27日、地盤改良に用いられる水・グラウトホース「GTシリーズ」に、最高使用圧力42MPaの「GT420」を追加し、11月に発売したと発表した。主に高圧噴射攪拌工法向けとして販売する。
地盤改良には地下鉄やトンネル、ビルなどの建設にあたり、地中の細かい隙間に注入剤(グラウト)を注入して地盤の改良や強化を図るグラウト工法と、高圧の固化材を直接地盤に噴射攪拌して改良体を造成する高圧噴射攪拌工法がある。
これらの注入剤・固化材には薬剤やセメントなど様々な種類があり、地盤改良の目的に沿って使い分けられる。「GTシリーズ」は注入剤・固化材をグラウトポンプで送り出す工程で使われるグラウトホースで、近年、特に高圧噴射攪拌工法では工期短縮を図るためグラウトポンプの高圧化が進んでおり、超高圧力対応のホースが求められていた。
GT420はホース補強層構造に超高圧性に優れたスパイラル構造を採用。また、施工現場でのホース外傷による寿命低下の対策として、当社汎用ホースに比べ耐摩耗性の高いホースカバーを使用している。口径は19・25・32・38・50mmの5サイズを揃え、0℃から60℃の流体温度で使用可能だ。
GTシリーズはGT420が加わることで、使用圧力別に7、14、20・5、42MPaの4シリーズがラインアップされる。今後、耐震補強工事や液状化対策工事、さらに都市部の交通渋滞緩和など社会基盤の整備を図るため、土木工事の需要が高まると見込まれる。こうした事業環境を踏まえ、同社ではGTシリーズの積極的な販売拡大を図る。